スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ein Geschenk(贈り物)

ある日突然、全く知らない人から電話がかかってきました。

「弓道の道具があるのですが、全部差し上げますから、引き取りに来られますか?」

弓具って、結構値が張るんですよ~。それを「くれる」ってどういうこと!?

電話を下さったのは、Wolfsburg在住の72歳の男性でした。
最近WolfsburgでうちのMが弓道のトレーニングをしていることを知ったそうです。

話はこう。

男性Jさんのお父さんは、1950年代にある本を読まれました。

その本とは(想像できる方いらっしゃると思いますが)・・・

Eugen Herrigelオイゲン・ヘリゲル(1884年~1955年)の
Zen in der Kunst des Bogenschiessens『弓術における禅』(1948年)です。

実は、Mもその先生であるHも、みんなこの本が切っ掛けとなって弓道を始めています。
その道ではかなり有名なもの。
ただMはこの本について、読むにはすばらしくおもしろいが、弓道の捉え方はちょっと・・・
と言っております(私はハッキリ意見を聞きましたが、ここでは濁しておきます)。

このJさんのお父さんも同じくこの本に感化された1人で、弓道を始めたいと
強く思われたそうです。
しかし、時代が時代(第2次世界大戦直後)。弓道なんてしている人は周りに誰もいません。
それで彼は、なんと!日本の大使館に手紙を書いたそうです。
かなりの情熱ですね~。

残念ながらその手紙が一切残っておらず、どういうやり取りだったのか今となっては
わかりませんが、Jさんのお父さんは、弓、弦、矢、弽(ユガケ)一式を
日本から送ってもらったそうです。

そして、地元のアチェリークラブの人達と一緒に1人弓道を練習されていたと。

ですが、49歳の時、心臓発作で急逝。

残された息子さんのJさんは弓道に興味がなかったものの、父親の形見として、
弓道具を一式捨てずに物置にずっとしまっていました。

そして、時が流れること50年。今このタイミングで私達に電話が来たという訳です。

それにしても、弓、矢とも立派な竹弓、竹矢です(弓は2本、矢は20本)。
しつこいですが、竹弓なんて、高くて高くて・・・。夢のまた夢。
しかし!この弓なんと25キロ!
私は9キロのを引いているんですが、それでも重い!と言って文句を言っていますからね。
ちなみにMは16キロぐらいです。
誰がこんな弓引けるんでしょうね・・・。

ちなみに弓には「横山宗吉」「桑幡道信」と焼印してありました。
都城の弓師の方のようですね。気になって調べてしまいました。
yokoyama_kanji_convert_20110110045048.jpg
IMGP1980_convert_20110110045916.jpg
弽の方には「小沼」とありました。
yugake_kanji_convert_20110110050448.jpg
弦もたくさん頂きましたよ。二寸伸45本。一生不自由しなさそうです。

あまりにも長い間使われていなかったので、実際あまり使えないとは思うのですが、
でも、この話が何とも私達にはロマンを感じさせてくれて、感動しました。
いくつかは部屋に飾ろうと思います。
alles_convert_20110110044653.jpg

ちなみに息子さんのJさんは、やっぱり弓道には興味がないそうなのですが、
今ハマっているスポーツ、ゲートボールだそうです。
微妙に日本繋がりなのがおもしろかったです。
スポンサーサイト

Trackback

Trackback URL
http://hanssler.blog12.fc2.com/tb.php/61-217cf0af

Comment

kuricha | URL | 2011.01.17 11:05
始めまして kurichaと申します。

異郷の地での弓道、さぞご苦労も多い事でしょうね・・・

さて、上から4枚目、 裏反りの少ない弓・・・スンゴイ木目が出てますよ~ (とっても希少・弓師に何とかしてもらいましょう)

どちらも時代的にニベでしょうから、復活できると良いですね。(ウラヤマスイ)

麻弦は・・・賞味期限切れでしょうけど
Y.H. | URL | 2011.01.17 15:59
コメント、ありがとうございます。
実は、弓師の方がいないんですよね・・・。
弓を作る兄弟がハンガリーにいて、そこでよく注文はするのですが。
でも、近々日本人の先生にお見せすることになっていますので、
何かしらアドバイスが頂けるかと思います!

しのぶ | URL | 2011.01.17 17:15 | Edit
はじめまして。

ドイツにお住まいとのことで、ちょうど良いタイミングというか、今月下旬にフランクフルトで「京都の伝統工芸展」が行われるとのことです。そこに京都の弓師、柴田勘十郎氏が行かれるので、現物をみせてみるのも一つの手ではあるかと思います。

反りの強いのは飾ると見ごたえありますし、もう一つのほうは杢目がきれいでこれも飾るだけでも価値があると思います。むやみに弦をかけることなく、まずは診察?診断していただくのがベストだと思います。

身重のお身体とのことで、まずは健康第一に、弓に日々の生活を楽しんでください。

http://kyoto-np.jp/economy/article/20101016000020
Y.H. | URL | 2011.01.17 17:50
ご丁寧にありがとうございます。
1月下旬・・・今週末か来週末というところですね。
主人も興味あるみたいなのですが、皮肉にも弓道セミナーが!
でも、その時に日本人の先生がいらっしゃるので、一度見て頂こうと思っています。
情報ありがとうございました。
展示会自体は3月27日までみたいですね。
行ってみたいです!
Comment Form
公開設定

プロフィール

hanssler

Author:hanssler



Y:香川県出身。日本語教師。只今ドイツ語勉強中。干支:午。
M:南ドイツBodensee近くのTafern出身。JAEC(国際農業者交流協会)の研修で1年間日本(香川県)に滞在。弓道3段。干支:巳。

2013年4月、ドイツのWolfsburgはFallerslebenに引っ越しました!3年間の期間限定ですが。

Mの実家はFerienwohnung
(ゲストハウス)をしています。
こちらもよろしく!
http://www.ferienhof-hanssler.de/

Wetter Wolfsburg
© meteo24.de


Wetter Takamatsu
© meteo24.de


にほんブログ村 海外生活ブログ ドイツ情報へ
にほんブログ村    

 

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
このブログをリンクに追加する
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。